「土木と建築の違いは?」
「”建設業”は”建築”と”土木”に分かれている?その違いは?」
このような疑問にお答えします。
こんにちは。北海道の建設企業「M・Kロード株式会社」です。
建設業は、大きく2つのカテゴリーに分けることができます。
それが「建築」と「土木」です。これら2つの言葉は一見似ているように思えますが、実はそれぞれ異なる特性と役割を持っています。
この記事を読んで、正しい意味を理解し、建設業における知識を身につけましょう。
土木と建築の違いは?
日本には、建設業のルールが定められている「建設業法」という法律があります。建設業に携わっていくにあたっては避けて通ることができないこの法律ですが、実はこの建設業法において、「土木」と「建築」は明確に区別されています。
具体的にどのような違いがあるのか解説します。
土木
「土木」とは、建設業の中でも公共のインフラや環境プロジェクトに焦点を当てたものを指します。これには道路、鉄道、橋、ダム、水道システム、港など、私たちが社会生活をする上で非常に重要な役割を担っているものが含まれます。
そのスケールはしばしば大規模となるケースが多く、自然環境や地理的要因を考慮する必要があります。社会の基盤を形成し、交通、水資源、エネルギーなどの公共サービスを支えることを目的としています。
私たちの身近なところでいうと、家などの建物を建てるための「地盤整備」なんかも「土木」の工事の一種ですね。
一般的に、土木の担当範囲は「地面の下」と表現されることが多いです。
建築
「建築」とは、建設業の中でも建物や構造物の設計に焦点を当てたものを指します。これには住宅、マンション、オフィスビル、学校、病院などが含まれます。
個々の建物や複合施設の設計を行うため、小規模から大規模なものまで様々あります。美的、機能的、持続可能な空間を創造し、人々の生活や活動に適した環境を提供することを目的としています。
建築の担当範囲は「地面の上」と表現されることが多いです。
建設工事
建設工事とは、道路や橋梁、マンションなどあらゆる構造物を建設することです。土木工事や建築工事も、建設工事に含まれます。
土木工事
土木工事とは、道路や橋、堤防などの構造物を作る仕事です。宅地造成、下水道配管工事なども含まれていますので、いわゆる「地面の下」を担当する仕事という意味合いで使用されることもあります。では、主な土木工事を3つご紹介します。
基礎工事
「基礎工事」は、建築物や構造物の重量を支え、地面に安全に伝えるための基盤を作る工事のことを指します。地盤の調査、地面の整地、コンクリートや鉄筋を使った基礎の形成などが含まれます。
建物の安定と耐久性を確保するため、非常に重要な工程です。
造成工事
「造成工事」は、土地の形状を変更して建築やその他の用途に適した土地を作り出す工事です。土地の平坦化、斜面の切り開きや盛り土、排水設備の設置、地盤改良などが含まれます。
住宅地、商業施設、公共施設などの建設地の準備や環境整備が主な目的となります。
外構工事
「外構工事」は、建物の外側の空間を整備する工事で、敷地の利用価値や外観を向上させます。道路や歩道の建設、庭園の造園、フェンスや門の設置、排水設備や照明設備の整備などが含まれます。
敷地の機能性と美観を高めることで、建物全体の価値を向上させることにあります。
土木工事の例
現代の土木工事は、元請企業の指示のもと、各分野の専門家がチームを組んで行う大規模なものが多いです。この様な工事では、多くの最新技術が使われます。
- ダム建設(砂防ダム建設、貯水池建設など)
- 砂防ダム工事、貯水池工事など
トンネル工事
地下、山中、海中など、起点と目的地を結ぶトンネルも土木工事です。
橋梁工事
人々の生活を支える重要なインフラである橋も、土木工事の一種です。地下に橋を支える基礎を作り、橋脚を取り付け、橋桁を設置し、橋の上に道路を作るのが一般的な橋梁工事の流れです。
空港建設工事
空港建設工事は、用地測量と設計から始まり、沖合用地では護岸工事と埋立工事、陸上用地では舗装工事と造成工事が行われます。
道路工事(開通工事、道路改良工事など)
道路の開設や改良は、土で路盤を作ることから始まります。
建設とは、新しい建物や施設を建てることです。建物を建てるだけでなく、施設や道路、橋などを建設することも含まれます。建築は建物を造ることであり、土木は道路や橋などを造ることです。
したがって、「建設」には「建築」と「土木」の両方が含まれています。
それぞれに明確な定義はありませんが、建築と建設の両方の側面を含む場合は、「建設」という言葉が使われるケースが多いです。
関連記事:土木と舗装の違いとは?土木工事の種類や、舗装工事の目的を解説。
土木とは、道路や橋などを造ること
土木とは、道路や橋、ダムなど、私たちの日常生活や暮らしを豊かにするために必要な構造物を造ることです。
建築物以外の構造物は、すべて土木に対象になります。土木工事には、設計、鉄筋工事、内装工事、営業・施工管理などが含まれます。
また、配管工事などの地下工事が含まれることもあります。
用語の使い分けが明確でない
建設工事、土木工事、建築工事は、上記のように使い分けられていますが、その範囲が明確に定義されているわけではありません。一見、土木工事と思われるものを建築工事と呼んだり、その逆もあり、状況や文脈によって用語の意味を推測し、適切に使い分ける必要があります。
例えば、軟弱地盤での工事の好例は「杭基礎」と呼ばれるもので、基礎では構造物を十分に支えることができない場合に、地中深くまで杭を打ち込んで構造物を支える工事です。
杭基礎は、地盤に関する工事ですが、杭の上に建てる建物がマンションであれば建築工事、橋梁や道路であれば土木工事と区別されます。
まとめ
土木と建築の違いについて詳しく解説しました。最後にもう一度おさらいしましょう。
分野 | 土木 | 建築 |
---|---|---|
焦点 | 公共のインフラや環境プロジェクト | 建物や建造物の設計 |
例 | 道路、鉄道、橋、ダム、水道システム、港など | 住宅、マンション、オフィスビル、学校、病院など |
目的 | 社会の基盤を構築すること | 人々が使用する建物や空間を設計すること |
建設業界の仕事に興味がある人は、「土木」と「建築」の違いを理解する必要があります。
また、各分野において求められる知識が異なるため、現場で活躍したい人は的確な勉強をする必要があります。例を挙げると、同じ建設業といえど「土木」と「建築」では求められる資格が異なるため、目的に応じたものを選ぶことが大切になります。
私たちの働く「M・Kロード」では、やりたい仕事の分野に応じて何の資格を取得するのがおすすめか、的確に指導いたします。資格取得へのサポートも充実していますので、キャリアアップに興味のある方はご連絡をお待ちしております。